WT/DS322/R
20 September 2006
United States – Measures Relating to
Zeroing and Sunset Reviews
Complaint by Japan
Report of the Panel
<目次>
2.
定期見直し及び新規供給者見直しにおけるゼロイングに関する申立
3.
事情変更見直し及びサンセット・レビューにおけるゼロイング手続に関する申立
ゼロイング及びサンセット・レビューに関する措置
日本
米国
アンチダンピング協定(千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定; Agreement on Implementation of Article VI of the General
Agreement on Tariffs and Trade 1994)、1994年のGATT(千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定;
General Agreement on Tariffs and Trade 1994)、WTO設立協定(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定;
Marrakesh Agreement Establishing the World Trade Organization)
Mr. David
Unterhalter (Chairperson)
Mr. Simon
Farbenbloom
Mr. José Antonio Buencamino
アルゼンチン、中国、EC、香港、インド、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、タイ
2004年11月24日 協議要請
2005年 2月 4日 パネル設置要請
2005年 2月28日 パネル設置
2006年 9月20日 パネル報告
2007年 1月 9日 上級委員会報告
2007年 1月23日 パネル・上級委員会報告採択
※上級委員会報告については、上級委員会決定の分析をご参考ください。
本件では、米国のゼロイング手続及び標準ゼロイング・ライン(ゼロイングを行うために、ダンピング・マージン計算用コンピューター・プログラム中に挿入される行のこと)そのもの(as such)及び適用(as applied)が対象となった。
本件では、日本はモデル・ゼロイング(model zeroing)とシンプル・ゼロイング(simple zeroing)という用語を用いている。前者は、加重平均対加重平均の比較に基づきダンピング・マージンを算出する場合のゼロイングを、後者は、加重平均対個別取引の比較もしくは個別取引対個別取引の比較に基づきダンピング・マージンを算出する場合のゼロイングを意味する。
参考文献:WTOコンプライアンスメールマガジン第17号(経済産業省通商政策局通商機構部国際経済紛争対策室)
1.オリジナル調査におけるゼロイングに関する申立(Claims Regarding Zeroing in the Context of Original
Investigations)
オリジナル調査におけるゼロイング手続そのものに関する申立(Claims regarding
zeroing procedures as such in the context of original investigations)
パネルはまず、以下のように述べて、ゼロイング手続そのものが紛争処理制度の対象となると認めた。@US – Corrosion-Resistant
Steel Sunset Reviewなどの上級委員会報告によれば、一般的・将来的に適用される規則又は規範を含む措置(an act or instrument contains rules or norms of general and
prospective application)は、それ自体が紛争処理制度の対象となる(7.37-41)、AまたUS – Zeroing上級委報告によれば、ある措置が明文の形になっていない場合は、その措置の正確な内容を特定しうる証拠が十分にあり(evidence … sufficient to identify the precise content)、被申立国に帰責可能で(attributable)、一般的かつ将来的に適用される場合(does
have general and prospective application)に限って、「規則又は規範」として紛争処理制度の対象としうる(7.42-44)、B本件において日本は、ゼロイング手続及び標準ゼロイング・ラインそのものに対して申立を行っているが、標準ゼロイング・ラインについてはAで述べた基準を満たしておらず、それ自体を紛争処理制度の対象とすることはできない。他方でゼロイング手続については、法令その他の明文の形にはなっていないものの、正確な内容が明らかで、また米国に帰責可能である。さらに、「規則又は規範」としての性質があるかは難しい問題ではあるが、本件においては、提出された証拠から、(i)米国が常にゼロイングを適用していることが明らかである、(ii)単に繰り返し適用されているだけではなく、一般的・将来的に適用される規則又は規範として意図的に適用されていることが明らかである(7.45-58)。
パネルは、以下のように述べて、モデル・ゼロイング手続そのもののアンチダンピング協定2.4.2条違反を認めた。@過去のパネル報告や上級委員会報告でも認定されている通り、アンチダンピング協定2.4.2条はモデル・ゼロイングを禁止している(7.80-83)、A本件で問題となっている、オリジナル調査におけるモデル・ゼロイング手続は、モデル・ゼロイングの使用を義務付ける(a measure exists that requires the use of zeroing and … model zeroing
is one aspect of this measure)ものであり、それ自体がアンチダンピング協定2.4.2条に違反している(7.84-86)、B訴訟経済の観点から、オリジナル調査におけるモデル・ゼロイング手続に関する日本のアンチダンピング協定2.1条、GATT6.1条及び6.2条に基づく申立については審査しない(7.87-89)、C同じく訴訟経済の観点から、オリジナル調査におけるモデル・ゼロイング手続に関する日本のアンチダンピング協定2.4条に基づく申立については審査しない(7.152)。
パネルは、以下のように述べて、シンプル・ゼロイング手続はアンチダンピング協定2.1条及び2.4.2条、GATT6.1条及び6.2条に違反しないとして、この点に関する日本の申立を退けた。@日本はUS – Softwood Lumber
V上級委報告を論拠として挙げているが、当該事件で上級委員会が審査したのは複数の比較を行う場合のゼロイング(いわゆるモデル・ゼロイング。モデルやタイプごとに加重平均対加重平均の比較をする際に、ゼロイングを行うことによって「産品全体(product as a whole)」の価格差を考慮しなかったことが、協定違反と認定された)であって、シンプル・ゼロイングについて示唆を与えるものではない(7.92-94)、A他方でUS – Zeroing (EC)上級委員会報告は、「産品全体」の価格差を考慮しなければならないという義務はモデル・ゼロイングの場合に限定されないことを示唆している。しかしながら、当該上級委員会報告が禁止されていると認定した措置の範囲が明確でないこと、当該上級委員会報告はモデル・ゼロイング以外のゼロイングを審査の対象としていなかったこと、協定の文言からはモデル・ゼロイング以外のゼロイングが禁止されていることが明確でないことから、本パネルはUS – Zeroing (EC)上級委員会のアプローチは採用しない(7.95-102)、B日本は、アンチダンピング協定2.1条やGATT6条の「産品(product)(products)」という用語が「産品全体」を意味し、したがって個別の取引ではなく輸出取引をすべてまとめて考慮に入れてダンピング・マージンを算出しなくてはならない(the concept of dumping, by definition, cannot apply to individual
transactions and inherently entails the need to examine export transactions at
an aggregated level and to accord the same weight to export prices that are
above normal value as to export prices that are below normal value)と主張しているが、「産品」という用語の通常の意味または文脈を考慮してもそのような解釈を導くことはできない。また、アンチダンピング協定やGATT6条の他の条項においても、「産品」を「産品全体」と解釈されているわけではない(7.103-112)、Cアンチダンピング協定2.4.2条の解釈に関連して、モデル・ゼロイングだけではなくシンプル・ゼロイングについても禁止されているのかを判断する際には、シンプル・ゼロイングのうち個別取引対個別取引の比較は2.4.2条第1文の通常の比較方法として位置付けられている一方で、シンプル・ゼロイングのうち加重平均対個別取引の比較については2.4.2条第2文の例外的な比較方法として位置付けられているということに十分配慮しなければならない(In determining whether zeroing is also inconsistent with Article
2.4.2 if used in connection with other comparison methods, we must adopt an
interpretation that gives full effect, on the one hand, to the nature of the
transaction-to-transaction method as one of the two normal comparison methods
which is used for the same purpose and which is subject to the same conditions
as the average-to-average method.
On the other hand, we must give full effect to the
average-to-transaction method as an exception to the normal methods provided
for in the first sentence.)(7.115-117)、Dアンチダンピング協定2.4.2条には、ゼロイングを一般的に禁止する趣旨の明文がない(7.118-120)、E明文の禁止規定がないとはいえ、モデル・ゼロイングについてはゼロイングが禁止されている一方で、シンプル・ゼロイングについてはゼロイングが禁止されていないと解釈するのは、論理的ではないと考えることもできる(7.121-125)、Fしかし、仮に加重平均対個別取引の比較に関してゼロイングが禁止されているならば、加重平均対個別取引の比較に基づき算出されるダンピング・マージンと、加重平均対加重平均の比較に基づき算出されるダンピング・マージンとが同一の結果となることになり、2つの比較方法を認めている意味がなくなってしまう。日本は、2つの比較方法により異なるダンピング・マージンが算出される場合がありうると主張しているが、日本の主張はアンチダンピング協定の誤った解釈に基づいており、支持できない(7.126-137)、Gなお、アンチダンピング協定2.4.2条に規定される3つの比較方法がゼロイングについて異なる扱いをしていると解釈することは理想的な解釈とは言えないことは本パネルも認めるが、他方で3つの比較方法すべてがゼロイングを禁止していると解釈する方がより大きな問題をはらんでいるということを付記する(7.140)。
パネルは次のように述べて、シンプル・ダンピング手続がアンチダンピング協定2.4条に違反するとの日本の主張を退けた。@アンチダンピング協定2.4条の公正な比較要件は独立の法的義務であり、価格の比較可能性その他の2.4条のサブパラグラフの義務に完全に包摂されるものではない(… the requirement of a fair comparison set out in the first
sentence of Article 2.4 is an independent legal obligation that is not defined
exhaustively by the specific requirements set out in the remainder of Article
2.4 and is not limited in scope to the issue of adjustments to ensure price
comparability.)。とりわけゼロイングに関しては、モデル・ゼロイングのみならずすべてのゼロイングを不公正とみなしていると解釈することもできるかもしれない(7.154-156)、Aしかし、上級委員会はアンチダンピング協定2.4条の違反を他の規定から独立して(on its own)認めたことはないし、本件において2.4条がゼロイングを一般的に禁止していると解釈すると、アンチダンピング協定の他の規定が意味を失ってしまう恐れがある(7.157-160)。
パネルは、モデル・ゼロイング手続そのものがアンチダンピング協定3.1条〜3.5条、5.8条に違反しているとの日本の主張について、同手続のアンチダンピング協定2条違反のみを根拠としており独立した論拠に基づいているわけではないことから(absent any independent grounds)、訴訟経済の観点から上記日本の主張については検討しないと述べた(7.164-165,
169)。また、モデル・ゼロイング手続がアンチダンピング協定1条、18.4条、WTO設立協定16.4条に違反しているとの日本の主張についても、同手続のアンチダンピング協定違反を根拠としており、1条、18.4条、WTO設立協定16.4条について認定しても勧告実施に関する追加的な指針を与えることにはならないことから、訴訟経済の観点からこの点についての日本の主張についても検討しないと述べた(7.171-174)。
パネルは、シンプル・ゼロイングがアンチダンピング協定2.1条、2.4.2条、2.4条、1994年のGATT6.1条、6.2条に違反しないと認定したことから、この点米国はアンチダンピング協定3.1条〜3.5条、5.8条、1条、18.4条、WTO設立協定16.4条にも違反していないと認めた(7.166, 170, 175)。
ある種の鉄鋼厚板に係るオリジナル調査におけるモデル・ゼロイングの適用 (Model zeroing as
applied in the original investigation concerning certain cut-to-length carbon
quality steel products from Japan)
パネルは、モデル・ゼロイング手続そのものをアンチダンピング協定2.4.2条違反と認定したことから、オリジナル調査におけるその適用についてもアンチダンピング協定2.4.2条に違反すると認めた(7.178-179)。
パネルは、モデル・ゼロイング手続の適用がアンチダンピング協定2.4条、3.1条〜3.5条、1条に違反しているとの日本の主張については、訴訟経済の観点から検討しなかった(7.182, 185, 186)。
2.定期見直し及び新規供給者見直しにおけるゼロイングに関する申立(Claims Regarding Zeroing in the Context of Periodic Reviews and
New Shipper Reviews)
定期見直し及び新規供給者見直しにおけるゼロイング手続きそのものに関する申立(Claims regarding
zeroing procedures as such in the context of periodic reviews and new shipper
review)
パネルは、次のように述べて、定期見直し及び新規供給者見直しにおけるシンプル・ゼロイング手続そのものは、アンチダンピング協定2.1条、2.4.2条、1994年のGATT6.1条、6.2条に違反しないとして、この点に関する日本の主張を退けた。@この点に関する日本の主張の論拠は、オリジナル調査におけるシンプル・ゼロイング手続がアンチダンピング協定に違反するとの日本の主張の論拠と全く同じであり、したがってすでに述べたのと同じ理由で日本の主張は認められない(7.193-195)、Aさらに、アンチダンピング協定9条は、産品全体についてダンピング・マージンを算出する一般的な義務がないことを示唆している。とりわけ9.3条によれば、アンチダンピング税は、輸入者が特定の輸入に関して支払うべきものであり(An anti-dumping duty is paid by an importer in respect of a
particular import of the product on which an anti-dumping duty has been
imposed.)、見直し期間のすべての取引をまとめて審査することを前提とした日本の主張は認められない※1。さらに、アンチダンピング協定9.4条は、将来効を有する正常の価額の設定※2を明示的に認めていることから、アンチダンピング協定2条のダンピング・マージンについても正常の価額よりも高い輸出価格と正常の価額よりも低い輸出価格とを同様に(すべてまとめて)評価することは求められていないと解される。米国は遡及的な税額評価制度を採用しているが、これは実質的に将来効を有する正常の価額の設定に「相当する(comparable)」制度であり、したがって米国の制度についても正常の価額よりも高い輸出価格を考慮することは義務付けられていない(7.196-209)、Bすでに述べたように、アンチダンピング2.4.2条はモデル・ゼロイング手続以外のゼロイングを禁止しているとは解されないし、仮に同条がいかなるゼロイングも禁止していると仮定しても、同条は「調査」を対象としているのであり、アンチダンピング協定9.3条や9.5条の見直しには適用されない(7.210-215)。
パネルは、上記認定に基づき、定期見直し及び新規供給者見直しにおけるゼロイング手続そのものがアンチダンピング協定2.4条、9.1条〜9.3条、9.5条、1条、18.4条に違反しないとして、この点に関する日本の主張を退けた(7.217-219, 220-222, 223-224)。
※分析者注1
輸入者Aに対して遡及的にアンチダンピング税の確定を行う場合(retrospective duty assessment)、見直し期間において輸入者Aが行った取引にダンピングが認められても、同期間中に他の輸入者が行った取引でダンピング・マージンがマイナス(ダンピングなし)となっていて、かつ、すべての取引をまとめて考慮しなければならないとすると、輸入者Aが行った取引についても(他の輸入者の取引が原因で)ダンピングなしとなってしまう可能性があり、適切ではないということ。
※分析者注2
将来効を有する正常の価額(prospective
normative value)を設定する場合、輸入国は、ある時点で正常の価額Xを設定し、以後の輸入に対してはXより高いか低いかで個別にダンピングの有無を決定する。したがって、個別の取引でダンピングが認められれば(つまりある個別取引では正常の価額よりも低い価格で輸出されていれば)、(他の取引では正常の価額よりも高い価格で輸出されていたとしても)アンチダンピング税が課税される(実質的にシンプル・ゼロイングと同じ結果が生じる)。
ある定期見直しにおけるシンプル・ゼロイングの適用に関する申立(Claims regarding
simple zeroing as applied in the context of certain periodic reviews)
パネルは、シンプル・ゼロイングそのものが協定に違反しないと認定したことから、11の定期見直しにおけるシンプル・ゼロイングの適用もアンチダンピング協定1条、2.1条、2.4.2条、2.4条、9.1〜9.3条、1994年のGATT6.1条、6.2条に違反しないと認定した(7.225-227)。
3.事情変更見直し及びサンセット・レビューにおけるゼロイング手続に関する申立(Claims Regarding
Zeroing Procedures in the Context of Changed Circumstances Reviews and Sunset
Reviews)
事情変更見直し及びサンセット・レビューにおけるゼロイング手続そのもの(Zeroing procedures
as such in the context of changed circumstances reviews and sunset reviews)
日本は、米国が事情変更見直し及びサンセット・レビューにおいて、オリジナル調査でゼロイングを用いて認定されたダンピング・マージンを利用していること自体がアンチダンピング協定2条及び11条に違反していると主張していた。
パネルは、米国が事情変更見直し及びサンセット・レビューにおいて、過去の調査(オリジナル調査)で認定されたダンピング・マージンを利用しているということについて、「一般的・将来的に適用される規則又は規範」が存在することを日本は十分に証明しておらず、したがって事情変更見直し及びサンセット・レビューにおけるゼロイング手続そのものがアンチダンピング協定2条及び11条に違反しているとは認められないと述べた(7.233-244)。
2件のサンセット・レビューにおけるゼロイング適用事例(“As applied” claims
regarding two sunset reviews)
パネルは、2件のサンセット・レビュー事例に関しても、次のように述べて、米国がアンチダンピング協定2条及び11条に違反したとの日本の主張を退けた。@米国ITC(国際貿易委員会)が、2件のサンセット・レビューにおいて、過去の調査で認定されたダンピング・マージンを利用したということについて、日本は十分な証拠を提示していない(7.250-254)、A米国商務省に関しては、2件のサンセット・レビューにおいて、過去の調査で認定されたダンピング・マージンを利用したということについて、日本は十分な証拠を提示している。しかし、商務省はオリジナル調査で認定されたダンピング・マージンを利用したのではなく、定期見直しにおいて認定されたダンピング・マージンを利用しており、上述したように定期見直しにおけるシンプル・ゼロイングの利用はアンチダンピング協定に禁止されていない(7.255-256)。
パネルは、以上を踏まえ、次のように結論する。
(a) オリジナル調査におけるモデル・ゼロイング手続そのものは、アンチダンピング協定2.4.2条に違反している。
(b) 鉄鋼厚板に関する調査においてモデル・ゼロイングを適用したことは、アンチダンピング協定2.4.2条に違反している。
パネルはまた、次の点について日本の主張を退けた。
(a) オリジナル調査におけるシンプル・ゼロイング手続そのものは、アンチダンピング協定1条、2.1条、2.4.2条、2.4条、3.1〜3.5条、5.8条、18.4条、1994年のGATT6.1条、6.2条、WTO設立協定16.4条に違反していない。
(b) 定期見直し及び新規供給者見直しにおけるシンプル・ゼロイング手続そのものはアンチダンピング協定1条、2.1条、2.4.2条、2.4条、9.1〜9.3条、9.5条、18.4条、1994年のGATT6.1条、6.2条、WTO設立協定16.4条に違反していない。
(c) 11件の定期見直しにおいてシンプル・ゼロイングを適用したことは、アンチダンピング協定1条、2.1条、2.4.2条、2.4条、9.1〜9.3条、1994年のGATT6.1条、6.2条に違反していない。
(d) 事情変更見直し及びサンセット・レビューにおけるゼロイング手続そのものがアンチダンピング協定2条及び11条に違反することについて、日本は立証責任を果たしていない。
(e) 2件のサンセット・レビューにおいて、過去の調査で認定されたダンピング・マージンを利用したことは、アンチダンピング協定2条及び11条に違反していない。
パネルは、以下の点について、訴訟経済の観点から認定を行う必要がないと結論する。
(a) オリジナル調査におけるモデル・ゼロイング手続そのものが、アンチダンピング協定1条、2.1条、2.4条、3.1〜3.5条、5.8条、18.4条、1994年のGATT6.1条及び6.2条、WTO設立協定16.4条に違反しているとの日本の申立
(b) 鉄鋼厚板に係るオリジナル調査においてモデル・ゼロイングを利用したことがアンチダンピング協定1条、2.4条、3.1〜3.5条に違反しているとの日本の申立
パネルは、米国のアンチダンピング協定違反により、日本のアンチダンピング協定上の利益が無効化または侵害されたと結論する。
パネルは、DSB(紛争解決機関)が米国に対し上記の措置をアンチダンピング協定上の義務に適合させるよう求めることを勧告する。
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